
経済産業省は1月23日、専門家会合(制度検討作業部会)において、需給調整市場における一次・二次①・複合商品の入札上限価格を15円/ΔkW・30分に引き下げる計画案を提示した。2026年度以降の適用を想定している。
同会合では、2025年10月時点で7.21円/ΔkW・30分とする案が示されていたが、今回の案はそれを大幅に見直す内容であり、発電事業者などの売り手にとっては一定の安心材料となる。
現在、一次・二次①の単一商品およびすべての複合商品は19.51円/ΔkW・30分(二次②・三次①の単一商品は7.21円/ΔkW・30分)に設定されている。今回の見直し案では、当初想定されていた約63.1%ではなく、約23.1%の引き下げにとどまる形となる。
需給調整市場は調整力コストの低減を目的として、2021年度に開設され、2024年度より全商品(一次〜三次②)の取引を開始された。しかし、募集量に対する約定量の未達や、特に前日商品における調達費用の高騰が課題となっている。このため、募集量の削減や余力活用電源など、市場外での調整も進められてきたが、募集費用は依然として高水準にある。
高めの上限価格が設定されていたことの背景としては「週間調達段階では不確実性があるため全体の供給量が抑制され、相対的に高い価格での応札が増える可能性もあり、できる限り市場を通じて必要な調整力を確保する観点からは、多少調達コストが上昇しても、確実に必要量を確保することが重要」と整理されていたためである。今回の見直しは、この考え方を踏まえつつも、調整力コストの抑制や関係者から寄せられた意見を総合的に勘案した水準といえる。
また、長期的な対応として、需給調整市場の運営主体である電力需給調整力取引所 (EPRX)は、2026年4月からは週間商品(一次〜三次①)を前日取引へ移行し、需給変動リスクの低減や価格算定の適正化を図る方針を示している。
同専門家会合では、上限価格の引き下げ後も市場競争に改善が見られなかった場合、10円、7.21円/ΔkW・30分など、段階的なさらなる引き下げを行う可能性が示された。一方で、系統用蓄電所の参入が増え、市場で十分な競争が働いていると確認できた場合には、募集量を増やす考えも提示した。さらに、前日取引開始後は、数ヵ月から半年単位で取引実績を確認し、制度の妥当性を検証していくとしている。