
経済産業省は、早ければ2028年に現行のスポット市場、時間前市場、需給調整市場を一つの市場に統合する、「同時市場」を導入する可能性がある。先月25日に経済産業省の有識者会議(「同時市場の在り方等に関する検討会」)において、取りまとめ(案)が公表された。
同取りまとめ(案)によると、検討中の同時市場は米国のPJM*エネルギー市場の設計を参考にしており、安定供給のための電源起動とメリットオーダー追求の観点から供給力(kWh)と調整力(ΔkW)を同時に約定させる仕組みである。具体的には、SCUC(Security-Constrained Unit Commitment)とSCED(Security Constrained Economic Dispatch)ロジックを組み合わせることで市場約定を決定する。系統制約を考慮した上で、起動費、最低出力費用、限界費用が最小コストとなるように前者は、あらゆる電源の起動と停止の最適な組み合わせ計画(起動停止計画)を策定し、後者は必要な発電量に対して各電源の出力配分の割り振り(経済負荷配分)を決定する。
発電事業者はそのために電源の起動費、最低出力費用、限界費用カーブの3つの情報を登録して入札するThree-Part Offerの導入が提案された。
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*米国東海岸13州とワシントンDCエリアの電力市場運営者と卸電力市場も運営する独立系統運用機関。正式名称は、PJM Interconnection, L.L.C.。