
手掛けた(画像:大林組)
北海道電力は4月28日、北海道小樽市の「石狩湾新港発電所」3号機(出力:569.4MW)の運転開始時期を、当初予定していた2037年12月から2033年度に大幅に前倒しすると発表した。これは、2030年度稼働予定の2号機に続く計画の前倒しとなる。
今回の計画の見直しは、3号機が2024年度の長期脱炭素電源オークションで落札したことにより、従来の2034年3月から2030年5月に着工時期を繰り上げたことによるもの。同オークションの容量確保契約では、供給力提供開始の翌年度から原則20年間、契約金額が交付される制度設計となっており、長期的な投資回収の予見可能性が高まったことが背景にある。
石狩湾新港発電所は、現在1号機(出力:569.4MW)が運転中で、2・3号機(各出力:569.4MW)が運転を開始すると合計1.7GWとなる計画のLNG火力発電所。1号機は、東芝エネルギーシステムズが建設を担当し、同社製の蒸気タービンと発電機、GE製のガスタービンを採用。2019年2月に運転を開始した。2号機は、2023年度の長期脱炭素電源オークションでの落札を受けて、当初予定していた2034年12月から2030年度に運転開始時期を今回と同様に前倒しした経緯がある。
石狩湾新港発電所は、北海道電力にとって初のLNG火力発電所であり、石炭火力からの転換を進める中で重要な位置付けにある。長期脱炭素電源オークションでの連続落札は、こうしたエネルギー転換を後押しするものとなる。
なお、同オークションは、蓄電池や水力、原子力、水素・アンモニア火力に加え、水素燃料への将来的な転換を見据えた新設LNG火力も、2025年度まで入札対象となっている。