
(画像:海帆)
海帆は3月5日、小売電気事業者であるどんぐり電力の株式49%を、TOFUから総額5,000万円で取得する契約を締結したと発表した。海帆の株式保有比率は49%の少数持分となるものの、取締役の過半数を指名することで経営の実質的な支配権を確保し、連結子会社として取り込む方針である。
本件の目的は、アマゾンデータサービスジャパン(以下、ADSJ)向けのバーチャルPPAに関する外注コストの削減などが挙げられる。なお、株式の譲渡は同年4月1日に実行される予定だ。
海帆によると、現在はアグリゲーションサービスを外注しており、発電量予測およびインバランス管理の対価として1円/kWhを支払っている。今回、グループ内の小売電気事業者へ同サービスを移管することでコストを約50%削減できる見込みだ。これにより、ADSJ向けのバーチャルPPAに関するアグリゲーションコストは年間約1,800万円削減できる見込みだ。PPAの契約期間である20年間では、累計約3.6億円の事業収益の増加が見込めるとしている。
どんぐり電力の前身である水戸電力は、家庭向け電力販売を中心に事業を展開していたが、経営破綻に伴う民事再生手続を経て、2025年3月に現在の社名へ変更した。その後、法人向けの電力販売を主力事業として再出発した。
海帆は飲食事業を主力としてきたが、2022年10月に再エネ事業へ参入。翌2023年3月にはKRエナジー1号を子会社化し、同年5月にADSJと31.3MWdc/16.3MWac規模の太陽光発電による20年間のバーチャルPPA契約を締結した。なお、2026年2月には同PPA向けの太陽光発電所を全件取得したと発表した。
主に低圧太陽光発電所を中心に開発を進めており、現在までに合計282件の案件を組成している。このうち2026年2月末時点で150件が運転を開始している。
国内の再エネ市場はFITから、FIPやコーポレートPPAを中心とした市場型モデルへ移行している。そんな中、海帆の今回の株式取得は、発電電源の保有と電力販売・アグリゲーション機能を一体化する動きが広がりつつあることを示す事例といえる。