東京電力HD、柏崎刈羽原発6号機の燃料装荷作業を完了、再稼働に向け「KK運営会議」も新設

2025年6月23日
社外の有識者を含めた「KK運営会議」を設置する
(画像:東京電力)

東京電力ホールディングス(以下、「東京電力HD)」は6月21日、新潟県の「柏崎刈羽原子力発電所」6号機(出力:1.3GW)において、燃料装荷作業を完了したと発表した。

燃料装荷とは、燃料集合体を燃料プールから原子炉へ装填する作業で、6月10日に開始していた。なお、同発電所7号機(出力:1.36GW)でも2024年4月に燃料装荷を完了している。

また、同社は6月23日、柏崎刈羽原発の運営に外部の視点を取り入れるため、社外の有識者が過半数を占める「柏崎刈羽原子力発電所運営会議(KK運営会議)」を新たに設置することも発表した。同会議は取締役会に直接提言する権限を持ち、提言は最大限尊重される。構成員には、東北電力や中部電力で原子力経営に携わった経験者、国内の学識者、地域経営者、外国の規制当局経験者や技術者などが名を連ねている。

一方で、新潟県知事は地元の理解を得るため、6・7号機の再稼働に向けて県内の首長との意見交換を順次進めているものの、現時点で具体的な再稼働時期の見通しは立っていない。そのため、東京電力HDはKK運営会議を通じて、地域住民や社会全体からの信頼を醸成し、再稼働に向けた環境整備を進める方針だ。

柏崎刈羽原発6・7号機は、ともに原子力規制委員会の審査に合格しており、東京電力HDは当初、工事計画の認可が先行していた7号機を優先して再稼働を目指していた。しかし、7号機のテロ対策施設(特定重大事故等対処施設)の整備工事が約4年遅れの2029年8月に完了する予定である。一方、6号機の設置期限は2029年9月とされ、共同通信は6月21日、東京電力HDが6号機を優先して再稼働する方針を近く公表すると報じている。

1〜5号機(各出力:1.1GW)については、2025年8月に公表した「『柏崎刈羽原子力発電所の再稼働および廃炉に関する基本的な考え方』への評価に関する取り組み状況」において、6・7号機の再稼働から2年以内に「廃炉を含む最適な電源構成の道筋を付けたい」としており、将来的な廃炉の可能性にも言及している。

柏崎刈羽原発の再稼働が実現すると、特にデータセンターの新設などにより電力需要の増加が見込まれる東京電力管内における電力の需給改善が見込まれる。経済産業省・資源エネルギー庁は2024年7月に実施した県民説明会で、6・7号機のいずれか1基が再稼働すれば、東京電力管内における電力予備率が約2.4%向上するとの見解を示している。

電力市場に関わる最新のニュースをメールで毎週受け取りたい方は、ぜひエネハブのニュースレター(無料)にご登録ください。

その他の電力市場最新ニュース

月次レポート

電力市場&市場トラッカーのサンプル(過去号の完全版)をご希望の方は以下のフォームよりお知らせください。メールでお届けします。