
東北電力、NTT東日本、日本政策投資銀行(以下、「DBJ」)の3社は10月16日、東北・新潟地域へのデータセンター誘致の推進に向けた業務協力協定を同日に締結したと発表した。
3社は今後、データセンターの誘致促進に関する各種施策の検討、情報発信、誘致に関心を持つ企業や自治体との連携強化に取り組むとしている。
DBJは2025年4月に調査レポート「東北地域におけるデータセンター適地性についての調査」を発行しており、東北は冷涼な気候とともに再エネの導入ポテンシャルが高いことから、データセンターによる電力需要を取り込むことができる可能性があると分析している。
現在、国内のデータセンターの約85%超が関東・関西エリアに集中している。2025年10月にはColtデータセンターサービスが不動産投資法人ESRと、大阪府箕面市において130MWのデータセンターの第1期(65MW)を開発するための合弁会社を設立したと発表した。
また、経済産業省は2025年3月、今後のデータセンターの整備を見据え、効率的な電力・通信インフラの整備を通した電力と通信の連携「ワット・ビット連携」に向け、官民連携および協調の場として「ワット・ビット連携官民懇談会」を立ち上げた。東北電力など3社の業務協力協定はそうした機運が高まる中で締結されたものである。
電力広域的運営推進機関が2025年1月に公表した電力需要予測によると、全国におけるデータセンター関連の最大需要電力は2025年度の470MWから、2030年度には4.4GW、2034年度には6.16GWへと増加する見通しである。家庭用や業務用の電力需要が減少すると見込まれるなかでも、国内の需要電力量を押し上げる要因になるとされている。
東北エリアに限ると、2025年(夏季)の最大需要電力は13.1GW、2034年度には13.3GWと微増すると想定されているが、データセンターの誘致が進めば最大需要電力が大幅に増加する可能性もある。