
2件目の事例である(画像:東北電力)
東北電力は5月1日、山形県朝日町の水力発電所「上郷発電所」の最大出力を従来の15.4MWから16.2MWへと800kW増加させたと発表した。
今回の取り組みでは発電設備の更新は行わず、水力タービンへの水流を100m3/秒から116m3/秒へと増やすことで、最大出力の引き上げを行った。
設備更新を伴わずに出力を増強するのは、同社として今回が2例目となる。1例目は2022年2月、新潟県阿賀町の「第二鹿瀬発電所」で行い、最大出力が2.2MW増の57.2MWとなった。これにより、年間発電量は約3.1GWh増加している。
東北電力は、2025年5月1日時点で計203ヵ所(総出力:2.45GW)の水力発電所を保有している。老朽化が進む発電所については、順次リパワリング工事(水車・発電機等の一括更新)を進め、発電所の寿命を延ばしている。2025年1月には福島県福島市の「蓬莱発電所」3号機(出力:38.5MW)、同年2月には新潟県津南町の「宮野原発電所」2号機(出力:2.6MW)でリパワリング工事を完了した。いずれも最大出力に変更はないものの、発電効率の向上により年間発電量の増加を見込んでいる。
今後も同社は、既設発電所の出力向上やリパワリング工事を計画的に進め、水力発電を有効活用していく方針だという。