
となる大型LNG火力の建設も進めている(画像:東京ガス)
東京ガスは3月27日、千葉県の同社袖ケ浦LNG基地内に「袖ケ浦発電所」(出力:97.8MW)を竣工したと発表した。
発電機にはフィンランドのバルチラ製ガスエンジンを10基(1基あたり9.78MW)導入した。このガスエンジンは起動時間が短く、停止状態からでも迅速に電力供給を開始できるため、柔軟な出力調整が可能だ。
東京ガスは、同発電所を再エネの出力や電力需要の変動に対応するため、電力市場のボラティリティ(価格変動)に対応し、系統安定化や再エネの普及を支えるための調整力として使用する計画だ。発電所の建設は、同社のエンジニアリング部門の東京ガスエンジニアリングソリューションズと清水建設が共同で行った。
袖ケ浦発電所に加え、東京ガスは同基地内に「(仮称)千葉袖ケ浦天然ガス発電所」(出力:1.95GW)の建設を進めており、2029年度から順次運転を開始する見込みだ。発電所の運営は、東京ガスの完全子会社である、千葉袖ケ浦パワーが担っており、昨年11月には環境影響評価準備書を公表した。
なお、千葉袖ケ浦パワーは、2022年まで東京ガスと九州電力の合弁会社(出資比率50:50)だったが、翌年に東京ガスの完全子会社となった。新設するLNG火力発電所には、水素との混焼が可能な高効率ガスタービン発電機を導入する予定で、脱炭素型火力発電への移行に貢献することが期待される。