
実施された(画像:東京電力パワーグリッド)
経済産業省の専門家会合(次世代電力系統ワーキンググループ)は1月23日、全国で初めて1月6日に系統混雑による出力制御が実施されたことが報告された。また、2025年度の需給制約による出力制御の見通しも同時に発表され、東京エリアで出力制御が行われる見通しであることが分かった。
同専門家会合によると、東京電力パワーグリッドの千葉県に所在する「房総変電所 500/275kv変圧器」がパンクしたことにより、ノンファーム接続の再エネ電源が合計約150MWh出力制御された。時間帯は、12:00〜12:30、13:30〜14:00、14:00〜14:30であった。ノンファーム接続による連系の増加に伴い、今後も系統混雑による出力制御が全国で増えていくと見られる。
一方、2025年度の需給制約による出力制御の見通しについては、全国で2.00TWhの出力制御の見通しが立てられている。これは、2024年度の見直し後の出力制御見通しである2.12TWhをわずかに下回る。また、2025年度の出力制御量のうち、九州エリアがその内の半数を占めると見られている。
東京エリアは、全国10ヵ所の供給区域の中で唯一、需給制約による出力制御の実施実績がなかったが、2025年度には0.009%(約2.6GWh)とわずかではあるものの実施される見通しである。
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