
(画像:日本べネックス)
日本べネックスは8月26日、長崎県諫早市の太陽光発電所「べネックスソーラーポート」(出力:320kW/DC、250kW/AC)をFIPに移行し、8月23日から併設蓄電池(容量:774kWh)の運用を開始したと発表した。
同発電所は、同社の本社屋上に設置したもので、FIT制度開始初期の2013年5月に運転を開始し、2025年3月にFIP移行と蓄電池併設の計画を発表済みであった。蓄電池の設置は自己資金で実施し、卸電力市場での電力取引はアグリゲーターである東芝エネルギーシステムズ(以下、「東芝ESS」)が担当する。
本件は、同社にとって初の蓄電池併設FIP太陽光発電所である。同社は保有するFIT発電所のFIPへの移行を進めており、2025年8月時点で、全国48ヵ所(合計出力:約63.6MW)のうち、すでに24ヵ所(合計出力:約43.2MW)がFIPで運用されている。
東芝ESSはアグリゲーターとして、2024年7月に岩手県の久慈地域エネルギーと1.75MWのオフサイトPPAを、同年11月に雪印メグミルクと年間3.8GWh規模のバーチャルPPAを締結している。
日本べネックスは、自社発電所の開発だけでなく、EPC(設計・調達・建設)やO&M(運用・保守)も手掛けている。今回の取り組みで得た知見を蓄積し、将来的には太陽光発電所を保有する顧客向けのFIP移行・蓄電池併設支援サービスの提供を行う構えだ。
九州エリアでは出力制御量が増加しており、高単価のFIT太陽光をFIPに移行して蓄電池を導入する動きが広がりつつある。エネルギー事業や金融投資を展開するリミックスポイントも、熊本県の「宇城太陽光発電所」(出力:968.5kW)を取得し、発電所のFIP移行と併設蓄電池の運用最適化に向けた共同実証を発表しており、今後のサービス提供に向けて運用ノウハウを蓄積している。