日本原電、敦賀原発2号機の再申請に向け、2027年度までに追加調査完了を目指す

2025年9月1日
新規制基準適合性審査で初めて不合格が出された敦賀原発
(画像:日本原電)

日本原子力発電(以下、「日本原電」)は8月21日、福島第一原発事故後に導入された新規制基準への適合性確認審査の再申請に向け、「敦賀発電所」2号機(出力:1.16GW)の追加調査計画を策定したと発表した。調査は今後およそ2年かけて実施され、2027年度中の完了を目指す。当初は2025年3月末までに追加調査計画を公表する意向を示していたが、延期となっていた。

同発電所2号機は、原子力規制委員会が直下に活断層が存在する可能性が否定できないとの判断から、2024年7月に再稼働を認めない方針を示し、同年11月に正式に不合格の決定がなされた。当時の日本原電の村松社長は「廃炉は考えていない」と語り、将来的に再申請する方針であることを明らかにしていた。

今後2年程度かけて、不合格の主な理由となったK断層調査やその他破砕帯に関する調査・評価を行っていく。調査完了後は取得したデータを活用し、再申請に向けて新規制基準への適合性を補強していく。同社は、「現地での調査は、準備が整い次第速やかに着手し、調査状況等については、地域の皆様、関係者の皆様へお知らせしてまいります」と述べている。

敦賀原発では、2015年に1号機(出力:357MW)の廃炉が決定し、2号機は同サイトで唯一の稼働可能な原子炉となっている。また、日本原電は現在、茨城県の「東海第二発電所」(出力:1.1GW)も保有している。

政府が「第7次エネルギー基本計画」で掲げる、2040年度までに原子力を電源構成の約20%とする目標を達成するには、敦賀原発2号機や東海第二原発など、福島第一原発事故以降停止している原発の再稼働が重要である。なお、日本原電は国内電力大手6社による合弁会社で、かつては敦賀原発3・4号機(各出力:1.54GW)を新設する計画を進めていたが、現在は中断されている。

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