
(画像:警察庁)
政府は3月11日、「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律案」を閣議決定し、同日、国会に提出した。同法案は、太陽光発電所をはじめとする施設で増加している銅線ケーブルなどの金属の盗難が増えていることを受け、特に被害の多い金属を対象に、取引時の本人確認を義務付けるものだ。まずは、銅を規制対象とし、今国会での法案の成立を目指す。
法案の主な内容は、金属くずの買取業者に対して、売主の身元を顔写真付きの本人確認書類で確認し、その取引記録を3年間保存することを義務付けるもの。さらに、盗品が疑われる場合はその申告も義務化し、違反した業者には6カ月以下の業務停止、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金を科す。
また、金属くずの買取業者は都道府県の公安委員会に届出を行う必要があり、届出を怠ったり、他者への名義貸しを行った場合にも、罰則を適用する。加えて、金属を切断するためのケーブルカッターやボルトクリッパーなどの工具を「隠して携帯」することを禁止し、これに違反した場合にも、罰則を科す。
政府は、今後の金属価格の変動等により、銅以外の金属も盗難被害が増える可能性があることを踏まえ、規制対象の金属や工具を追加できるように柔軟な対応を検討している。
警察庁の統計によると、金属の窃盗事件は2020年の約5,500件から2023年には16,000件以上に急増し、被害総額は130億円を超えた。また、2024年上半期には、すでに1万件以上の被害が報告されている。
2022年9月から2023年7月にかけては、茨城県など5県にある太陽光発電所から約2.54億円相当の銅線ケーブルが盗まれた事件が明らかになった。逮捕された7人は、盗んだ銅線ケーブルを群馬県内の金属くず買取業者に売却しており、その業者は他のグループからも不正に買取っていた疑いが持たれている。同法案は、こういった窃盗や不正買取を防止する狙いがある。