
であることから蓄電所の重要性が高まっている
戸田建設は6月13日、長崎県五島市が公募する「2025年度五島市系統用蓄電池運用技術開発事業」の採択を受け、イー・ウィンドと共同で蓄電所の開発を行うと発表した。
2025年度に蓄電池の運用技術開発を進め、2026年度に蓄電所の運転を開始する予定である。なお、蓄電所の規模は明らかになっていない。
同事業は、九州エリアで増える出力制御への対応として、蓄電池を活用したEMS(エネルギーマネジメントシステム)の開発と実証を支援するものである。公募事業の補助率は、対象経費の4分の3以内で上限は1,500万円であった。公募の申請数は、主体事業者であるイー・ウィンドと共同事業者の戸田建設による事業1件のみであり、交付金額は現時点では公表されていない。
イー・ウィンドは、1990年に橋本建設として五島市で創業した。同社は、2006年に風力発電設備のメンテナンス事業に参入し、2008年に事業を一本化している。
同事業で開発したシステムは、将来的には戸田建設(出資比率:50%)、イー・ウィンド(同45%)、五島市民電力(同5%)が出資する合弁会社のフローティング・ウィンド・アグリゲーションにも展開する方針だ。同社は、2024年12月に特定卸供給事業者の届出を行った。
戸田建設は、2016年より五島市と共同で「崎山沖2MW浮体式洋上風力発電所」(出力:2MW)の商用運転を行っており、さらには、ENEOSリニューアブル・エナジー、大阪ガス、INPEX、関西電力、中部電力とともに、長崎県五島市沖で国内初となる複数の風力タービンを備えた「五島洋上ウィンドファーム」(出力:16.8MW)を開発している。同発電所は、2026年1月の運転開始を予定しており、今後九州エリアで再エネ電源の導入がさらに進むことから、蓄電所を活用して余剰電力を効果的に運用するための開発を行っていく。