
(画像:松村組)
広島県東広島市は、事業用の太陽光発電設備に対する設置規制を盛り込んだ条例案を、次回の市議会定例会に提出する方針であることを中国新聞が報じた。同条例案は、2025年初めに策定した方針案に基づいており、可決されれば広島県内で初の導入事例となる。
対象となるのは、出力10kW以上の事業用太陽光発電設備である。建物の屋根に設置する設備は対象外とする一方で、FIT・FIP認定の有無を問わず、地上設置型の設備はすべて対象となる。
条例案では、設置前に市への届け出と市長との協議を義務付けるほか、住民からの要望があった場合には説明会の開催を求める。また、市が事業者に対して指導・助言・勧告を行えるように定めており、勧告に従わない場合には事業者名を公表する方針を示している。
東広島市では、2024年3月時点で約3,100件のFIT認定電源が稼働している。しかし、FIT・FIP価格の下落に伴い、行政による事業の把握と指導が及びにくい非FIT・非FIP電源が今後さらに増える見込みであることから、東広島市は条例の制定が必要と判断した。
市には、太陽光発電設備の設置による土砂流出や雑草の繁茂への苦情、説明会開催の要望などが毎年数件寄せられている。総務省の2022年度の調査でも、回答のあった全国861市町村のうち4割強で太陽光設備に関するトラブルが確認されていた。
こうした条例制定の動きは全国的にも広がっており、2025年には北海道登別市や福岡県飯塚市が市議会に同様の条例案を提出。宮城県では、2024年4月から、再エネ発電設備の適地誘導を目的とした再エネ課税条例が施行され、青森県でも条例が可決され、2025年度内の施行が予定されている。このほかにも、岡山県、山口県岩国市、防府市などでも同様の条例が施行済みで、自治体による再エネ事業の可視化と地域との共存を目指す取り組みが進んでいる。