
への補助を受けられるインセンティブがある
電力広域的運営推進機関(以下「広域機関」)は6月20日、出力250kW以上のFIP太陽光発電所を対象とした「太陽光第24回入札(2025年度第1回)」の結果を公表した。今回の入札には143.6MWが応札され、そのうち79MWが落札された(落札率:約55%)。
今回の入札で注目されたのは、0円/kWhでの落札案件が多かったことである。落札容量ベースでは約36%(30MW超)、件数ベースでは全57件中38件(67%)がゼロ円で落札された。
ゼロ円入札で最多落札を記録したのは、地域電力(Hexa Renewable Japan)で、すべて0.00円/kWhの300kW/AC〜2MW/ACの高圧太陽光発電所24件(落札容量:17.6MWAC)を落札した。このほかにも、GPSSアグリBが1件(落札容量:2.0MW/AC)、みつばち101が10件(落札容量:10MW/AC)、Bison Energyが3件(落札容量:2.2MWAC)をそれぞれゼロ円で落札している。
こうしたゼロ円入札が増えている背景には、FIPプレミアムの金額にかかわらず支払われるバランシングコストや発電側課金に対する補助を受けられる点である。これにより、FIPとコーポレートPPAを組み合わせた収益化を目指す事業者が多く、落札事業者はゼロ円でもインセンティブがあるとみられる。
一方、ゼロ円入札を除いた落札価格は、4.99円/kWh〜7.79円/kWhの範囲であった。最大規模の案件は、未来創電蒲生日野による19.5MWACの太陽光発電所(落札価格:5.7円/kWh)で、次いで、神戸物産創業者が設立した町おこしエネルギーによる10MW/ACの案件(落札価格:7.77円/kWh)であった。
ゼロ円入札を除いて最多案件を落札したのは上里建設で、合計5件(落札容量:3.8MWAC)を4.99〜5.00円/kWhで落札した。
落札事業者は2025年7月4日までに第2次保証金を納付し、2026年1月20日までにFIP認定を取得することで契約が成立する。
なお、今回の募集容量を上回る入札があったことを受けて、広域機関は次回の「太陽光第25回入札(2025年度第2回)」で、114.54MWACの募集を予定しており、6月23日から事業計画の受付を開始している。
お詫び(2025年6月24日):地域電力の落札容量に誤りがありました。正しくは 17.6MW/AC です。
これに伴い、「0円/kWh」入札が全体の落札容量に占める割合は 36% となります。訂正してお詫び申し上げます。