
シンガポールに拠点を置く暗号資産(仮想通貨)マイニング機器大手のCanaanは10月30日、電気関連ソリューション企業を通じて日本の大手電力会社向けに4.5MWのマイニングサーバーを受注したと発表した。同電力会社が開発を進める系統安定化のための施設に導入され、2025年末までに稼働を開始する見通しだ。
導入されるのは「Avalon」シリーズのハイドロクーリング(液冷)型サーバーで、通常のマイニング用途とは異なり、電力系統の負荷状況に応じてオーバークロック(高負荷運転)やアンダークロック(低負荷運転)を自動的に切り替えることで、系統の負荷を安定させる仕組みを採用している。サーバーにはCanaanが自社開発したスマート制御チップを搭載しており、周波数や電圧などを調整し、需給変動に即応することでエネルギー効率の最適化と系統信頼性の向上に貢献するという。
再エネの普及拡大に伴い、天候や時間帯による発電量が変動するなかで、電力系統の安定運用には、柔軟に出力を調整できるリソースの確保が重要な課題となっている。今回の事業は、これまで主にデータセンターや蓄電池が担ってきた分野に、マイニング技術を応用する新たな試みとして注目される。
Canaanは2013年に設立され、ビットコインをはじめとする暗号資産向けのハードウェア開発を手掛けてきた。2024年にはオランダで同様のプロジェクトを支援しており、マイニング技術を活用したエネルギー分野での応用拡大を進めている。