
日本風力発電協会 (以下、「JWPA」) は2月18日、2024年12月末時点における国内の風力発電導入実績(速報値)をまとめた年次報告書を発表し、累積導入量が5.84GWに達したと発表した。この年間増加量は、過去最大である。
2024年の新規導入量は、全国23ヵ所で703.3MW(風力タービン170基)が新たに建設、撤去数は8ヵ所の40.3MW(50基)である。廃止分を差し引いた正味導入量(Net)は、663MW(120基)となり、年間増加量として過去最大を記録した。JWPAのデータによると、新設の発電所における風力タービンのメーカー別シェアはSiemens Gamesa製が46%、GE Vernova製が34%、Vestas製が17%を占めた。
都道府県別では、北海道が導入量の増加を牽引し、前年比約455MW増加し、全国一位となった。設備容量が1GWを超える都道府県は北海道のみで、エリア別では北海道は東北に次ぐ2番目の風力発電容量を有する。
特に注目されたのは、2024年1月に運転を開始したJERAの石狩湾新港洋上風力発電所(出力:112MW)で、同発電所は系統の接続容量の制約により、99.99MWの出力制限があるものの、導入量の増加に大きく寄与した。また、2024年末時点で洋上風力発電所は7ヵ所に増え、その稼働容量は合計253.4MWに達している。
陸上風力においても新規の大型案件が進展しており、青森県深浦町で運転を開始した79.8MWのグリーンパワー深浦風力発電所がその一例である。同発電所は、グリーンパワーインベストメントと東北電力の合弁会社であるグリーンパワー深浦が運営している。
さらに、インベナジーが進める島牧風力発電事業(最大出力:140MW)の環境影響評価手続きの開始や、中部電力のあつみ第二風力発電所 (最大21MW) の環境影響評価手続きの完了など、陸上および洋上風力発電所の新規開発が年間を通じて続いた。