
四国電力は8月26日、香川県の火力発電所「坂出発電所」におけるLNG火力5号機(出力:約600MW)の新設計画について環境影響評価方法書を公表した。運転開始は2032年1月を予定している。
2025年2月に公表された「配慮書」段階では、2027年度中の着工、2031年度の運転開始とされていたが、今回の「方法書」では2028年2月の着工、2032年1月の運転開始と具体的な年月が示された。四国電力は同機を2024年度の長期脱炭素電源オークションで落札している。
同発電所は、四国電力が保有する火力発電所4ヵ所の中でも最大規模であり、新5号機が建設された場合の総出力は1.99GWとなる。現在、LNGの1号機(出力:296MW)・2号機(出力:289MW)、重油等を燃料とする3号機(出力:350MW)および2010年にLNG転換を行った4号機(出力:450MW)が稼働中だ。
新設する5号機はLNGを燃料とするガスタービンコンバインドサイクル方式(GTCC)を採用しており、将来的には水素混焼への対応も視野に入れている。
5号機の運転開始や今後の燃料転換によるLNGの需要増加に対応するため、四国電力グループの一員としてLNG基地を運営する坂出LNGは、坂出市にある同社のLNG受け入れ基地に、18万kLのLNGタンク1基を追加し、50t/hの気化設備等を新設する予定。気化設備は2029年度、LNGタンクは2031年度の運転開始を目指している。
大手電力会社がより低炭素な燃料への転換を進めるなか、坂出発電所の拡張は、国内で進行中の複数のLNG火力発電の開発計画の一つである。