台湾の天宇工業、2MW/8MWh系統用蓄電所建設で日本市場に参入、投資額は5.8億円

2025年7月10日
天宇工業は2MW/8MWh規模の蓄電所で日本市場に参入する

蓄電池システムを手掛ける台湾の天宇工業は7月2日、同社の子会社である成宇新能源科技を通じて、日本国内で系統用蓄電所(2MW/8MWh)の建設に5.8億円を投資すると発表した。

蓄電所の開発にあたり、成宇新能源科技はリニューアブルエネルギーパートナーズ(以下、「REP」)と提携する。REPの最高戦略責任者であるVictoria Chingyi Leow氏によると、EPC(設計・調達・建設)からO&M(運用・保守)、金融支援までを一括で担うターンキー方式で対応するという。なお、具体的な開発エリアおよびスケジュールについては現時点では公表されていない。

REPは日本国内で150MW規模の太陽光発電所の運営実績を持つ。蓄電技術とスマートエネルギー管理システム開発を強みとし、2024年2月には太陽光発電の売買事業を展開するジー・スリーホールディングスと提携し、長野県で営農型太陽光発電所(出力:778kW)を開発している。

一方で、天宇工業は1983年に設立された。リチウム電池モジュールの製造を長年手掛けており、2018年以降はエネルギー貯蔵分野へ事業を拡大している。

海外メーカーによる日本国内の系統用蓄電所市場への参入が加速している。具体的には、中国のSungrowは2025年2月、サンヴィレッジと500MWhの蓄電池調達に関する基本合意を締結し、関東・中部エリアで13ヵ所の蓄電所(2MW/8MWh)開発に関わっている。また、華為技術日本も同年5月にサンヴィレッジと業務提携契約を締結し、複数の蓄電所(2MW/8MWh)案件に製品を供給する予定だ。さらには、中国建材国際工程集団も海帆との提携により国内で蓄電所(2MW/8MWh)5ヵ所を開発する計画を進めている。

天宇工業もこうした動きに続き、国内市場で標準的な規模の高圧蓄電所(2MW/8MWh)を皮切りに、日本市場に本格的に参入する。

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