
北陸電力は2月27日、富山県射水市にある「富山新港火力発電所」におけるLNG火力発電所2号機(出力:600MW)の建設を検討し、環境影響評価手続きを開始したと発表した。同時に、石炭1号機(出力:250MW)の廃止予定を再延期することも発表した。廃止予定は2024年度から2028年度に変更し、供給力確保に懸念があるため、再延期を決定したという。
石炭1号機の廃止の再延期について北陸電力は、志賀原子力発電所2号機が再稼働していないことや、2024年に発生した能登半島地震に伴う七尾大田火力発電所の長期停止が影響していると説明。安定した電力供給のため、石炭1号機の廃止を再延期する措置が必要と判断した。
富山新港火力発電所の石炭1号機は、当初2018年度に廃止する予定だったが、電力需給の厳しい状況を受けて廃止時期を2024年度に延期した経緯がある。廃止計画を延期し、運転可能な状態を維持しながら、環境負荷低減に努めるという。
現在検討中のLNG火力発電所2号機は、コンバインドサイクル発電方式を採用し、2033年度の運転開始を予定している。北陸電力は、環境アセスメントの第一段階である「計画段階環境配慮書」を経済産業大臣と関係自治体に提出した。
富山新港発電所は、1971年と1972年にそれぞれ250MWの石炭1号機・2号機、1974年に240MWの石油1号機、1981年に500MWの石油2号機、2018年に425MWのLNG1号機の運転を開始した。LNG 1号機は現在、北陸電力唯一のLNG火力発電所として稼働している。石油1号機は、燃料調達が困難であることから2020年10月より運転を休止している。
北陸電力の総発電容量は4.6GWで、そのうち富山新港火力発電所は最大規模となる約1.7GWを占めており、同社にとって重要な発電拠点となっている。