北陸電力志賀原発2号機、能登半島地震で完全復旧までに2年以上かかる見通し

2024年7月27日
志賀原発2号機の主変圧器が能登半島地震で取り替えが必要となり、完全復旧に時間がかかる見込みである(画像出典:北陸電力)

7月24日、北陸電力は今年1月に発生した能登半島地震で被災し、一時停止していた志賀原子力発電所2号機の設備の完全復旧には2年以上かかると発表した。

現在、同発電所の2号機は地震の影響で主変圧器が故障したため、外部電源全5回線のうち2回線から受電できない状態となっているが、北陸電力は「5回線のうち3回線から受電できるため、発電所の安全性は確保されています」としている。

故障している主変圧器を一式取り替えるためには一定の時間を要するため、北陸電力は暫定的な対応として2025年度上期までに、代わりとなる移動式の変電所を設置し、5回線を確保する計画である。

志賀原子力発電所の1号機(540 MW)、2号機(1,358 MW)ともに、 2011年の福島第一原発事故の影響で停止しており、敷地内が活断層上にあるかどうか10年以上近く審査を受けていた。原子力規制委員会によると、同2号機は2023年3月に国の新規制基準に適合しているとした。その後、北陸電力は2号機の再稼働時期を2026年1月としていたが、今年1月の能登半島地震で被災したため、計画の見直しを迫られた。また、能登半島地震後、安全上重大な影響はなかったものの、揺れの一部が想定を上回ったことが判明し、安全審査は長期化することが予想されている。北陸電力は敷地内の断層が動いた痕跡は確認されていないと説明し、原子力規制委員会は北陸電力の説明におおむね理解を示しているものの、国の調査を待つ必要があるため、再稼働までには時間がかかる見込みである。

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