
屋上型太陽光を導入する(画像:テス・エンジニアリング)
テスホールディングスは6月20日、子会社のテス・エンジニアリングが、建設機械メーカーである加藤製作所と、同社の群馬工場におけるオンサイトPPAを締結したと発表した。契約期間は20年間で、2026年2月の運転開始を予定している。
同事業では、群馬県太田市にある加藤製作所の工場の屋上に、出力595WのJinko Solar製の太陽光パネル3,814枚(合計出力:約2.3MW)を設置する。
年間発電量は約2.8GWhで、そのうち約1.7GWhを工場内で自家消費する。これは、同工場の年間消費電力の約58%に相当する。残る約1.1GWhの余剰電力は、テス・エンジニアリングがFIP制度を通じて卸電力市場に売電し、余剰電力に紐づく非化石証書も加藤製作所に販売される予定だ。
余剰電力を生む発電所を開発することで、テス・エンジニアリングは屋上スペースを最大限に活用すると同時に、2023年10月に導入された屋上型太陽光発電へのFIT・FIPに対する優遇措置も活用できる。屋上型の場合、出力250kW(AC)以上であっても入札制度の適用外となるため、より高いFIP価格で認定を受けられる。
屋上型の取り組みだけでなく、テス・エンジニアリングは需要家所有地の有効活用へと事業領域を拡大している。2025年5月には、香川県三豊市の東洋炭素・詫間事業所の未利用地を活用し、20MWの地上設置型のオンサイトPPA契約も締結している。
また、2025年10月から始まる「初期投資支援スキーム」では、屋上型太陽光を対象に、支援期間中のFIT・FIP価格を現行よりも手厚くする。一方で、調達期間の短縮や、支援期間後のFIT・FIP価格を引き下げる方針である。事業者にとっては、初期投資の早期回収が可能となり、屋上型太陽光のさらなる導入の促進が期待される。