
予定している(画像:伊藤忠商事)
伊藤忠商事と九電工は7月28日、太陽光発電所のFITからFIPへの移行および蓄電池の併設に関する協業を行うことを発表した。
第1弾として、両社の合弁会社である佐賀相知ソーラー(出資比率:伊藤忠商事50%、九電工50%)が保有する佐賀県唐津市の「佐賀相知太陽光発電所」(21.0MW/DC、16.5MW/AC)において、蓄電池(12.0MW/49.4MWh)を併設する。また、同蓄電池の運転開始時期は、2026年度を予定している。
なお、この事業は経済産業省の2024年度予算「再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業」の採択を受けて実施する。
伊藤忠商事は、蓄電池設備の供給、リースや出資を通じた支援、併設する蓄電池のO&M(運用・保守)を担当し、太陽光発電予測や市場を通じた売電、蓄電池の充放電計画の最適化などの電力運用サービスも提供する。九電工は、併設する蓄電池のEPC(設計・調達・建設)と発電所のO&M(運用・保守)を担う。
この協業の第1弾となる佐賀相知太陽光発電所は、2018年4月に運転を開始している。同発電所は2013年度にFIT認定を受け、FIT価格36円/kWhで運用されている。FITの契約期間は、2038年3月まで残っている。
同事業では、伊藤忠商事の産業用蓄電池「Bluestorage」のブランドのもとで、パワーエックス製のリチウムイオン電池を搭載したコンテナ型定置用蓄電池「Mega Power」を設置するとみられる。
九州エリアにおける出力制御量が増加傾向であることから、事業者は太陽光発電所をFIPに移行し、蓄電池を併設することで事業の収益化の改善に取り組んでいる。また、経済産業省は、優先給電ルールの見直しを検討しており、FIT電源を優先的に出力制御の対象とする見直し案を早ければ2026年度中に導入する。
このような背景から、伊藤忠商事と九電工のほかにも、京セラTCLソーラーは「鹿児島・霧島メガソーラー発電所」(出力:25.1MW/DC、20MW/AC)に蓄電池(15MW/60MWh)を併設する計画を発表し、SMFLみらいパートナーズは福岡県古賀市の太陽光発電所「青柳ソーラーパークI」(出力:2.6MW/DC、1.8MW/AC)に蓄電池(1.75MW/8.2MWh)を併設し、6月20日に運転を開始した。
蓄電池の活用を通じて、太陽光発電のピーク時間帯から電力供給をずらすことによって、発電電力の価値の最大化を目的としている。