
実施が義務づけられている(画像:九州電力)
九州電力は7月25日、佐賀県玄海町の「玄海原子力発電所」4号機(出力:1.18GW)について、7月27日から第17回定期検査を実施すると発表した。検査は10月28日まで実施する予定だ。
玄海原発では、加圧水型軽水炉(PWR)を採用する3号機(出力:1.18GW)および4号機の2基が稼働している。一方、1・2号機(各出力:559MW)は新規制基準への適合工事に多額の費用が見込まれたことから、採算性を理由に廃炉が決定され、それぞれ2015年4月、2019年4月に運転を終了した。
今回の定期検査では、原子炉本体や冷却系統、放射線管理施設などの各設備を点検するとともに、燃料集合体193体の一部を新燃料に取り替える。
一方、玄海原発3号機は2025年3月28日から実施していた第18回定期検査を7月10日に終え、通常運転を再開した。検査中には主蒸気系統の検査で使用する弁の一部に不具合が見つかり、交換作業を行ったため、運転再開は当初の計画より遅れた。3号機は2024年度に約10TWhを発電しており、九州電力の原子力発電量の3割超を担っている。
九州電力では現在、玄海原発3号機に加え、鹿児島県薩摩川内市の「川内原子力発電所」1・2号機(各出力:890MW)の計4基の原発が稼働している。これらの原子炉は今後、川内原発1号機が2025年10月、同2号機が2026年1月、玄海原発3号機が2026年7月に順次定期検査に入る予定だ。
同社は2025年5月に発表した中長期経営方針のなかで、既設原発の安定運転を継続するとともに、次世代革新炉の開発や設置の検討を進める姿勢を明らかにしており、既設設備と将来の新設計画の双方で取り組みを進める可能性を示している。
九州電力は引き続き、国のエネルギー政策や需給見通し、原子力発電を取り巻く事業環境の動向などを踏まえながら、次世代炉設置の可能性について検討を進めていく考えだ。