
九州電力は7月10日、佐賀県玄海町の「玄海原子力発電所」3号機(出力:1.18GW)について、第18回定期検査を終え、同日通常運転を再開したと発表した。これにより、同3号機は約3ヵ月半ぶりに通常運転を再開した。
3号機は2025年3月28日より定期検査のため停止していたが、検査中に主蒸気系統の検査で使用する弁の一部に不具合が見つかり、交換作業を実施した。この影響で当初の運転再開時期が延期され、6月15日から調整運転を開始していた。
玄海原発では、加圧水型軽水炉(PWR)を採用する3号機および4号機(出力:1.18GW)の2基が稼働している。一方、1・2号機はそれぞれ2015年4月、2019年4月に運転を終了しており、現在は廃炉作業が行われている。
玄海原発3号機は2024年度に約10TWhを発電しており、九州電力の原子力発電所の中でも重要な役割を担っている。
九州電力では現在、玄海原発4号機に加え、鹿児島県薩摩川内市の「川内原子力発電所」1・2号機(各出力:890MW)の計4基の原発が稼働している。これらの原子炉はそれぞれ2025年7月、同年10月、2026年1月に順次定期検査に入る予定だ。
同社は2025年5月に発表した中長期経営方針のなかで、既設原発の安定運転を進めるとともに、次世代革新炉の開発および設置の検討も進める方針を明らかにしており、既設・新設の両面での取り組みを進める可能性を示している。