
屋上に設置される(画像:ラサール不動産投資顧問)
九州電力の完全子会社である九電みらいエナジーと電気ビルは8月20日、福岡市渡辺通2丁目に電気ビルが所有するオフィスビルを供給先とするオフサイトPPAを締結したと発表した。供給開始は2025年12月を予定している。
九州電力グループの物流施設3ヵ所の屋上に合計約3.7MWの太陽光発電所を新設し、発電した電力を、小売電気事業者の九州電力を通じて20年間供給する。年間発電量は、約4.2GWhが見込まれている。
3つの発電所のうち最大規模となるのは、九州電力、九電不動産、ラサール不動産投資顧問の3社が共同開発したマルチテナント型物流施設「ロジポート福岡粕屋」(出力:2.7MW)である。次いで、九州電力、九電不動産、九州リースサービスが共同出資して開発した佐賀県基山町にある「グローカルロジ基山」(出力:661kW)、そして最も小規模な発電所は、西日本プラント工業が所有する「NPC福岡空港ロジセンター」(出力:283kW)となる。なお、西日本プラント工業は、九州電力と九電工の合弁会社(出資比率:85対15)である。
本件に関して、九電みらいエナジーは、2025年10月に導入予定の「初期投資支援スキーム」を活用する見込みだ。同制度は、FIT/FIPに基づく屋上太陽光発電事業者に対し、契約初期の数年間に高めのFIT/FIP価格を設定し、その後に単価を引き下げることで投資回収期間の短縮を図る仕組みである。
同制度では、2025年10月〜2026年度末までに認定された屋根設置型の事業用太陽光(10kW/AC以上)が対象となる。適用期間20年間のうち、最初の5年間は19円/kWh、6年目以降は8.3円/kWhとなる。なお、屋上太陽光は入札の適用対象外となっているものの、直近の第25回入札(2025年度第2回)における最高落札価格が7.89円/kWhであったことを踏まえると、同制度の適用によるメリットは大きいといえる。