中部電力、7.8MW安倍川水力発電所を運転開始、8社とのバーチャルPPAにより供給

2025年4月11日
中部電力は同発電所の環境価値をバーチャルPPAを
通じて供給する(画像:中部電力)

中部電力は4月2日、静岡県静岡市の安倍川水力発電所(出力:7.83MW)の運転を開始したと発表した。同発電所で発電した電力に付随する環境価値は中部電力ミライズがバーチャルPPAを通じて、AGCテクノグラス、静岡銀行、ソミック石川、トヨタ紡織、鍋屋バイテック、浜松ホトニクスメルクエレクトロニクスヤマハの8社に供給する。

安倍川水力発電所は2016年度にFIT(固定価格買取制度)認定を受けており、当時の1MW以上30MW未満のFIT価格は24円/kWhである。中部電力は、PPAを通じて安定的な収益を確保するため、運転開始前にFITからFIP(フィード・イン・プレミアム)に移行したとみられる。

建設工事は飛島建設と鉄建建設による共同企業体が担当し、2020年に着工した。当初は2024年12月の完工を予定していたが、約3ヵ月遅れての運転開始となった。

今回のバーチャルPPAは、中部電力ミライズが2024年2月より開始した「みんなで脱炭素プロジェクト」の一環である。同プロジェクトでは、三重県の青山高原風力発電所(出力:15MW)を活用したバーチャルPPAのほか、契約企業15社に太陽光発電所を設置し、相互に電力を融通し合うオンサイトとオフサイトのハイブリット型PPAも展開している。

中部電力に限らず、水力発電を活用したPPAの動きは広がっている。2024年12月には、JR西日本と北陸電力が、また今月には東京電力リニューアブルパワーとヒューリックが、それぞれ水力発電を活用したPPAを発表している。太陽光と風力が主流のコーポレートPPA市場において、水力をはじめとしたその他の再エネ電源への関心も高まりつつある。

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