
災害時の医療体制強化につなげる狙いがある
(画像:中部電力ミライズ)
中部電力ミライズは4月15日、藤田学園と締結した協定に基づき、愛知県豊明市の藤田医科大学および同大学病院に設置したソーラーカーポートによる電力供給を開始したと発表した。今後、水上太陽光を含め、2027年までに約4MW規模への発電容量の段階的な拡大を計画している。
この取り組みは、中部電力ミライズ、施設運営者である藤田学園、そして豊明市の三者が2023年1月に締結した「災害時医療継続にむけた協定書」に基づき進められている。すべての太陽光発電設備が稼働すれば、既存の非常用発電機とあわせて、災害時の停電発生時にも7日間以上、医療救護活動を継続できる体制が整うという。
第一段階として、中部電力ミライズが職員用駐車場にソーラーカーポート(出力:517kW)を設置し、4月15日に運転を開始した。今後は、2026年10月に861kW、2027年に386kWのソーラーカーポートを追加導入する予定だ。
さらに、藤田学園に隣接する豊明市所有の農業用ため池には、中部電力が水上太陽光発電所(出力:2.3MW)を新設し、2025年6月の運転開始を目指している。すべての設備が稼働する2027年には、年間発電量は約5.2GWhに達し、施設全体の電力使用量の約12%を賄う見込みだ。
大規模な太陽光発電所の適地が不足する中で、中部電力ミライズは今回の取り組みを通じて、土地を多用途で活用することにより、再エネの導入拡大を図る新たな事例を示した形となる。大規模な太陽光発電所の適地が不足する中で、中部電力ミライズは今回の取り組みを通じて、土地を多用途で活用することにより、再エネの導入拡大を図る新たな事例を示した形となる。
ソーラーカーポートのほか、水上太陽光の市場も徐々に広がりを見せており、太陽ホールディングスは2025年2月に兵庫県内で水上太陽光発電所2ヵ所(合計出力:2.52MW)の運転を開始したばかりである。