
開発を進めている(画像:中部電力)
中部電力は5月30日、東北地方を中心に再エネ開発のコンサルティングを手掛けるエネグリと、木質チップなどを製造する工藤林業と共同で、青森県むつ市に「川内町バイオマス発電所」(出力:1.99MW)を建設・運営すると発表した。着工は2026年夏、運転開始は2027年12月を予定している。
発電所の事業主体は、工藤林業が設立したクリーンウッドエナジーであり、出資比率は工藤林業が50%、中部電力が40%、エネグリが10%である。年間発電量は約14.5GWhを見込んでおり、地域の未利用材を原料とした木質チップを主な燃料として使用する。
川内町バイオマス発電所は2024年度にFIT(固定価格買取制度)認定を受けている。2015年度以降に適用されている2MW未満の間伐材等由来の木質バイオマス発電のFIT価格は40円/kWhである。
経済産業省のデータによると、川内町バイオマス発電所は工藤林業としては初の発電事業であるとみられ、エネグリにとってもバイオマス発電事業としては初の出資となる。
一方、中部電力とそのグループ会社は、「四日市バイオマス発電所」(出力:49MW)や
「御前崎港バイオマス発電所」(出力:75MW)などの大規模バイオマス発電所に出資している。また、同社は岩手県、群馬県、長野県、新潟県の各県でも、一般木質バイオマスを燃料とした1.99MW級の発電所を他社と共同開発しており、地域資源を活用した分散型電源の整備を進めている。