
(画像:中部電力)
中部電力とみずほリースの完全子会社であるエムエル・パワーは2月17日、4件のバイオマス発電事業の自社持ち分をそれぞれ共同事業者のプロスペックAZに譲渡し、当該発電事業から撤退すると発表した。持分譲渡前の各社の出資比率は4案件とも同じで、中部電力50%、エムエル・パワー40%、プロスペックAZ10%であった。
撤退の対象案件は、静岡県の「裾野バイオマス発電所」、群馬県の「渋川バイオマス発電所」、長野県の「長野バイオマス発電所」、新潟県の「上越バイオマス発電所」の4件だ。運転開始は順に2025年10月、同11月、2026年4月、2027年5月の計画だった。しかし、2024年10月に裾野バイオマス発電所の建設を開始したこと以外の進捗については公表されていない。
発表によると両社の撤退理由は、近年の部材コスト高騰などの厳しい事業環境に加え、発電所の運転開始時期が遅延する見通しとなるなど、事業性の確保が困難であるとの結論に至ったことを挙げている。
4案件はいずれも、地元の街路樹の剪定枝などを主な燃料とする、発電出力1.9MW の木質専焼バイオマス発電所だ。稼働後は1案件あたり、年間約14.5GWhの発電量を見込み、FIT価格24円/kWhで売電する予定であった。
また、中部電力は1月20日、三菱HCキャピタルや東急不動産などと共同出資していた鳥取県の「米子バイオマス発電所」の廃止・解体を発表した。同発電所は、2022年4月から運転を開始したが、2023年9月に火災が発生して以降、稼働を停止していた。高額な復旧費用などを踏まえ、事業継続が困難と判断したとしている。
事業撤退や廃止の動きがある一方で、同社はバイオマス発電所の新規開発も進めている。2025年5月には工藤林業などと青森県に「川内町バイオマス発電所」を開発すると発表。同年7月には稲畑産業などと広島県で「福山バイオマス発電所」、同年9月にはJFEエンジニアリングなどと愛知県で「田原バイオマス発電所」の運転開始を発表している。