
三菱総合研究所 (MRI) は、8月29日に開催された経済産業省の定置用蓄電システム普及拡大検討会で、系統用蓄電池の導入コストと採算性に関する研究結果を公表した。
系統用蓄電システムコスト (税抜) は2022年度の49,000円/kWhから2023年度には62,000円/kWhと26.5%増加した。増加の大部分は、電池自体の価格上昇によるものである。システム全体に占める割合は、資源価格の高騰や為替変動等により、36,000円/kWhから48,000円/kWhへと33.3%増加した。
工事費は12,000円/kWhから14,000円/kWhへと16.7%増加し、システム関連コストの増加により、全体に占める工事費の割合は24%から22%に低下した。
調査の一環としてMRIがヒアリングした系統用・再エネ併設システム事業者へのヒアリングによると、海外製の蓄電システムは2万円から4万円/kWhと安価であり、補助金を受けて実施される事業は価格に関する評価項目がなく総合点で採択されるため、コストが結果的に高くなる傾向にあるとの意見が出された。
また、同社は20年間にわたって系統用蓄電システムのアービトラージ運用を行なった場合の収益性を評価するために三つのシナリオの検討を行なった。プロジェクトの収益がプラスに転じるのは、kWh当たりの建設費(CAPEX)が次の場合であると評価された。
- ダウンサイド:過去5年間で最も値差が小さいJEPXの2019年度の卸価格実績値を参照 →30,000円/kWh
- ベース:過去5年間の卸価格実績値が周期的に20年間続くと想定 →60,000円/kWh
- アップサイド:過去5年間で 最も値差が大きい2022年度の卸価格実績値を参照 →80,000円/kWh
同検討会は2020年度を最後に開催されていなかったが、蓄電システムの自立的な普及拡大に向け、国内外の事業環境や市場動向を把握し、今後の施策をとりまとめることを目的に今年度から検討会が再開された。