
(画像:レノバ)
レノバは10月14日、補修工事を行っていた静岡県の「御前崎港バイオマス発電所」(出力:75MW)が10月10日に通常運転を再開したと発表した。
2025年1月に運転を開始した同発電所は、6月末にボイラー付帯設備の漏水が発生したため運転を停止し、補修工事を進めていた。当初は9月中の運転再開を目指していたが、必要部材の納入に時間を要したため、9月22日付で運転再開を10月中と発表していた。
同発電所はSPC(特別目的会社)の御前崎港バイオマスエナジーが保有しており、同社にはレノバ(出資比率:38%)、中部電力(同34%)、三菱電機フィナンシャルソリューションズ(同18%)、鈴与商事(同10%)の4社が出資している。
経済産業省によると、同発電所は2016年度にFIT認定を受けており、FIT価格は24円/kWh。年間発電量は約530GWhと見込まれており、約3カ月間の運転停止による売上損失は、単純計算で30億円を超えると推計される。
もっとも、レノバは今回の運転停止による今期(2026年3月期)業績への影響は、軽微にとどまるとの見方を示している。これは、2026年1月に予定していた約20日間の定期点検を、今回の停止・補修工事期間中に前倒しで実施したことで、改めて停止する必要がなくなったことに加え、計画外の停止リスクをあらかじめ織り込んでいたことが背景にある。さらに、スポット燃料価格の下落による収益の増加や、新規蓄電事業に伴って開発報酬の計上が見込まれることも、業績への影響を抑える要因として挙げられている。