レノバ、75MW「御前崎バイオマス発電所」の運転を停止、運転再開は2025年9月の見込み

2025年7月15日
御前崎港バイオマス発電所は2025年1月に運転を
開始したばかりの発電所である(画像:レノバ)

レノバは7月11日、静岡県御前崎市の「御前崎港バイオマス発電所」(出力:75MW)について、ボイラー付帯設備の漏水により6月29日に運転を停止したと発表した。2025年9月中の運転再開を目指し、補修工事を進めるという。

同発電所は2025年1月に運転を開始した。木質ペレットとパーム椰子殻(PKS)を燃料として使用し、年間発電量は530GWhを想定している。

発電所はレノバ(出資比率:38%)、中部電力(同34%)、三菱電機フィナンシャルソリューションズ(同18%)、鈴与商事(同10%)の4社が出資するSPC(特別目的会社)である御前崎港バイオマスエナジーが保有する。EPC(設計・調達・建設)は、東洋エンジニアリング日鉄エンジニアリングの共同企業体が担当した。

当初は2023年7月の運転開始を予定していたが、ボイラ・タービン設備の調整に時間がかかり、運転開始時期の延期を繰り返していた。これにより、御前崎港バイオマスエナジーはEPC事業者から工事の遅れに対する完工遅延損害賠償金を受領していたが、2024年7月に受け取った額で上限に達したことが同年9月に発表された。

経済産業省によると、同発電所は2016年度にFIT認定を受けており、FIT価格は24円/kWh。買取期間は2044年11月までである。発電量が月間を通じて安定していると仮定した場合、今回の2.5ヵ月にわたる運転停止期間によって生じる売上損失は、約26.5億円にのぼると推計される。

レノバは今回の運転停止に伴う売上収益の減少は見込まれるものの、バイオマス事業全体で計画外停止バッファを通期見通しに織り込んでいたことや、新規の事業開発報酬の計上が見込まれることなどを主因として、今期(2026年3月期)の業績への影響は軽微としている。

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