
レノバは2月5日、同社が出資する静岡県御前崎市の「御前崎港バイオマス発電所」(出力:75MW)が1月29日に運転を開始したと発表した。
事業開発を担当したレノバは、2019年に中部電力、三菱電機ファイナンシャルソリューションズ、鈴与商事と共同でプロジェクトを推進。4社の合弁会社「御前崎港バイオマスエナジー」の出資比率は、レノバ38%、中部電力34%、三菱電機ファイナンシャルソリューションズ18%、鈴与商事10%。
発電所では木質ペレットとパーム椰子殻(PKS)を燃料として使用し、年間約530GWhを発電する見込みだ。FIT(固定価格買取制度)に基づき、中部電力パワーグリッドに24円/kWhで20年間売電する。
プロジェクトファイナンスは、三井住友信託銀行と新生銀行がアレンジャーを務めるシンジケートローンで調達され、発電所のEPC(設計・調達・建設)は東洋エンジニアリングと日鉄エンジニアリングの共同企業体が担当した。
当初は2023年7月の運転開始を予定していたが、ボイラ・タービン設備の調整に時間がかかり、運転開始時期が何度も延期された。これにより御前崎港バイオマスエナジーはEPC事業者から完工遅延損害賠償金を受領していたが、2024年7月に受け取った額で上限に達したことが同年9月に発表された。
また、レノバは佐賀県唐津市で「唐津バイオマス発電所」(出力:50MW)の開発も進めており、こちらも同様の理由で運転開始が遅れている。当初予定の2024年12月から、2025年3月に延期されることが発表された。