
(画像:住友商事)
レノバは9月19日、秋田県由利本荘市で計画中の「(仮称)由利本荘岩城風力発電事業」(最大出力:105.6MW)に関する環境影響評価方法書を、経済産業大臣および秋田県知事など関係行政機関に提出した。
本事業は、約299haの敷地に、出力4.0MW〜6.6MWの風力タービンを16基から24基設置する計画である。着工は2029年5月、運転開始は2032年12月を予定している。環境影響評価手続きは2023年に開始されている。
計画地周辺には、すでに複数の風力発電所が稼働している。電源開発が保有する「由利本荘海岸風力発電所」(出力:16.1MW)をはじめ、「秋田国見山第一風力発電所」(出力:約10MW)、「秋田国見山第二風力発電所」(出力:約7.5MW)、「コープ東北羽川風力発電所」(出力:約7.5MW)、「秋田下浜風力発電所」(出力:約7.5MW)などが存在し、さらに2MW規模の発電所も複数稼働している。
また、JR東日本エネルギー開発は、「由利大内ウィンドファーム風力発電事業」(最大出力:42MW)の環境影響評価手続きを2020年に完了。コスモエコパワーは「(仮称)秋田由利本荘ウィンドファーム事業」(最大出力:100MW)について、2025年3月に「配慮書」を公表している。
また、「秋田県由利本荘市沖(北側、南側)」は、洋上風力発電の促進区域に指定されている。2021年に実施された国内初の洋上風力第1ラウンドでは、三菱商事などのコンソーシアムが当該地域を落札したが、後に撤退を表明。これにより、当該区域は今後再入札が行われる見通しで、今後の動向が注目されている。
レノバは、従来よりFIT制度のもとで太陽光発電やバイオマス発電の開発を進めてきたが、近年は系統用蓄電所や陸上風力発電所の分野にも範囲を広げている。
同社は、福島県田村市、大熊町、浪江町、葛尾村にまたがる「阿武隈風力発電所」(合計出力:147MW)を住友商事などと共同開発しているほか、熊本県の「苓北・天草陸上風力発電所」(出力:54.6MW)も中核事業者として建設を進めている。
さらに、同社の「中期経営計画 2030」では、2030年度までに国内で400MWの陸上風力発電所の建設および運転開始を目指す方針を掲げており、今回の秋田県での新規案件もその一環と位置づけられている。