
国内最大手である(画像:ユーラスエナジー)
ユーラスエナジーは3月28日、福島県いわき市で開発を進めている最大80MWの陸上風力発電事業について「計画段階環境配慮書」を公表し、環境影響評価手続きを開始した。
「(仮称)四時風力発電事業」は、約1,541haの事業実施想定区域に4~6MWの風力タービンを最大19基程度設置する計画だ。着工は2031年以降、運転開始は2034年以降を予定している。
同発電所は、2023年11月に運転を開始した「ユーラス田人ウインドファーム」(出力:18.8MW)の周辺にあり、さらに近隣20km圏内には、2006年から稼働中の「ユーラス里美ウインドファーム」や2024年8月に運転を開始した「ユーラス三大明神ウインドファーム」など、同社が保有する発電所が集積している。
いわき市周辺では、他事業者による陸上風力発電事業も進行中だ。インベナジーが出資する茨城塙ウインドは「茨城塙風力発電所」(出力:79.8MW)を建設しており、2028年3月の運転開始を予定している。また、GFの「(仮称)たびと中央ウィンドファーム」(出力:54.6MW)は計画段階環境配慮書の公表を行った。さらに、JR東日本エネルギー開発による「(仮称)馬揚山風力発電事業」(出力:34MW)は環境影響評価書の公表を終えており、事業化に向けて最終段階に入っている。
ユーラスエナジーは、青森県むつ市で進める「(仮称)佐藤ヶ平風力発電事業」(最大出力:60.2MW)についても同時期に計画段階環境配慮書を提出するなど、複数の事業開発を並行して行っている。さらに、今年2月には北海道稚内市の「勇知ウインドファーム」(連系容量:72.2MW)および「芦川ウインドファーム」の南側区画(連系容量:60MW)が運転を開始し、道北地域における「道北風力発電事業」(総連系容量:434.5MW)が完了した。
国内最大の陸上風力発電事業者であるユーラスエナジーは、20年以上にわたり国内外で陸上風力事業を行っている。同社が運転している発電所のなかには設備の更新が必要なものもあり、同社は「ユーラス大豆田ウインドファーム」、「ユーラス岩屋ウインドファーム」、「ユーラス尻労ウインドファーム」などのリプレースにも取り組んでおり、新規事業の推進とあわせて事業を進めている。