
計画である(画像:マノアエナジー)
アジアで再エネ事業への投資を手掛ける香港・Brawn Capitalの日本法人であるマノアエナジーは7月31日、北海道札幌市で開発中の系統用蓄電所「Helios I」(50MW/104MWh)を電力系統に接続したと発表した。運転開始は、2025年11月を予定している。
マノアエナジーは2022年12月に用地を取得し、2024年4月に着工した。建設および保守は北海道電力が担当している。なお、Helios Iでは、設計寿命が約25年のテスラ製リン酸鉄リチウム(LFP)電池を採用した。
同蓄電所の出資体制については、2025年3月にBrawn Capitalが匿名組合を通じて、持分の60%を台湾・HD Renewable Energy(以下、「HDRE」)の完全子会社であるHD Renewable Energy Japanに譲渡した。HDREは、長期脱炭素電源オークションにおいて、2年連続で蓄電池案件の採択実績を有しており、2024年度入札では青森県、福島県、北海道で約300MW分を落札した。
Brawn Capitalは日本国内で1GW超の蓄電所開発を計画しており、HDREもHelios Iに加えて、群馬県や関東・中部エリアでの蓄電所案件に参画している。
このほかにも、外資系企業による日本市場への蓄電所市場への投資は相次いでいる。英・Eku Energyの日本法人である日本蓄電は、岡山県で「絵師蓄電所」(150MW/600MWh)を計画している。これは、2024年度の長期脱炭素電源オークションの蓄電池案件としては最大規模の落札案件となった。また、アイルランドのGridBeyondは、群馬県の蓄電所で電力運用サービスの提供を開始している。
外資系企業は、欧米諸国での系統用蓄電所の開発および運用で得たノウハウを活かし、成長著しい日本国内への投資を積極的に進めている。経済産業省によると、国内の蓄電容量は、2030年には約14.1GWh〜23.8GWhへと拡大し、現在の3倍以上に成長する見込みだ。