フォーシーズHD、群馬の8MWh系統用蓄電所用地の事業を中止、系統接続費用の変動により

2025年9月7日
系統接続費用の見直しにより計画を中止した

フォーシーズHDは8月29日、子会社のファンタスティックフォー第1号(以下、「ファンタスティックフォー」)が群馬県前橋市で取得した系統用蓄電所(2MW/8MWh)の売却契約を、譲渡先からの申し出により解除したと発表した。

ファンタスティックフォーは、2025年3月に不二トラストから同蓄電所の用地および系統連系の権利を取得、自社で売電を行う当初の予定を変更し、同年7月に非公開の第三者への譲渡を決定した。しかし、その後東京電力パワーグリッドから、本蓄電所に関する連系負担金が当初の予定より大きく変動すること、ならびに電力連系までの工期が大幅に変更されることの正式回答を受け、譲渡先と協議を重ねた結果、今回の契約解除に至った。

本件に伴い、同発電所の取得元である不二トラストとは、すでに取得済みの前橋案件を、千葉県長柄町の土地および系統連系の権利に差し替える形で合意している。こちらも好条件での譲渡先を選定し、売却する予定。不二トラストからは、2025年6月にも山梨県韮崎市にある蓄電所の系統連系の権利を取得している。

フォーシーズHDは化粧品卸を主業とする一方で、2024年9月に太陽光事業に参入した。2025年2月には蓄電所事業へと事業範囲を広げ、年間24ヵ所の開発を目標に掲げている。

通常、系統連系希望者は接続検討申込み後、連系が可能と判断された場合に概算工事費や工期について一般送配電事業者から回答を受け、それをもとに事業性の判断を行う。実施を決定した場合は、一般送配電事業者への契約申込みと保証金の支払いを経て、技術検討が行われ、工事費が改めて精査される。接続検討回答時とは異なる工事費となることもあり、今回は技術検討の過程で、負担金や工期の見直しが行われたとみられる。

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