
短期間で開発できる傾向にある
フォーシーズHDと化粧品の通販事業などを手掛けるパスは7月28日、系統用蓄電所の開発に関する業務提携を発表した。両社は今後、高圧および特別高圧の蓄電所を共同開発し、合計100MW/200MWhの導入を目指す。
同提携に基づき、両社は用地取得から系統連系の申請、資金調達、EPC(設計・調達・建設)、O&M(運用・保守)を共同で行う。また、フォーシーズHDと循環資源ホールディングスが共同で開発を進める蓄電所導入支援システムを活用する計画である。
両社は共同開発に加え、蓄電所システムや、市場動向、運用ノウハウなどの情報共有を図り、新たな事業モデルの検討にも取り組んでいく。
パスはこれまでにバイオマス事業に関わった実績があり、用地選定や系統連系の申請など、開発初期段階を中心に蓄電所事業にも携わってきた。近年は不動産取引免許を取得し、用地売買も可能となった。一方、フォーシーズHDは資金調達の分野でコンサルティングサービスを提供しており、蓄電所(2MW/8MWh)案件を2件取得しているほか、HOBE ENERGYとの業務提携を結ぶなど事業領域の拡大を進めている。
フォーシーズHDも、これまで化粧品事業を主力としていたが、2024年半ばに太陽光発電事業に参入し、2025年2月には蓄電所分野への事業拡大を決定した。異業種からの蓄電所事業への参入が進むなか、同業種間で提携を結ぶ珍しい事例である。
蓄電所の運転継続時間4時間の高圧案件における提携が増えてきているなかで、両社の導入目標からは、より運転継続時間の短い案件への関心が高いとみられる。