
(画像:パワーエックス)
バンプージャパンは、福島県と宮崎県で開発中の特別高圧の蓄電所2ヵ所(各26MW/110MWh)について、パワーエックス製の蓄電システムを採用することを決定した。両案件とも2028年の運転開始を予定している。
パワーエックスが6月5日に発表した内容によると、両蓄電所には、リチウムイオン電池を搭載したコンテナ型定置用蓄電池「Mega Power」をそれぞれ40基設置する。
福島県の「会津若松蓄電所」については総事業費は約60億円を見込んでおり、経済産業省の2024年度予算「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」の採択を受けた。補助金額は約20億円で、宮崎県の案件についても同補助金に採択され、同額の交付が決まっている。宮崎県の案件では、芙蓉総合リースとグローバルエンジニアリングが共同申請者として参画している。
バンプージャパンはこのほかにも、岩手県でテスラ製の蓄電池を採用した「遠野松崎蓄電所」(14.5MW/58MWh)を建設済みで、2025年6月の運転開始を予定していると日本経済新聞が報じている。
パワーエックスは2021年3月に設立。同社の蓄電システムは岡山県で製造しており、国内の系統用蓄電所事業で多くの採用実績を持つ。主な事例として、上組が2026年の運転開始を予定している兵庫県加西市の「加西メガパワー蓄電所」(13MW/55MWh)や、東京センチュリーおよびJFEエンジニアリングが2027年度下期の運転開始を目指し、北海道芽室市で開発中の系統用蓄電所(20MW/79MWh)などがある。
2MW/8MWhの高圧案件を主力としてきたパワーエックスにとって、今回の大型案件の受注は、特別高圧の系統用蓄電所市場への事業展開が本格化したことを示している。