
(画像:デジタルグリッド)
デジタルグリッドは10月14日、長野県と愛知県の系統用蓄電所で、10月11日から需給調整市場の「一次調整力」における取引を開始したと発表した。
取引対象となるのは、JMP長野佐久合同会社が所有する「長野県佐久市甲字西連寺蓄電所」と日本蓄電池が保有する愛知県春日井市の「NC西尾春日井蓄電所」(2MW/8MWh)。同社がアグリゲーターとして一次調整力に参入するのは今回が初めてであり、今後は他エリアでも一次調整力に参入する方針だ。
2021年に創設された需給調整市場は、応動時間により「一次調整力」「二次調整力①」「二次調整力②・三次調整力①②」に区分されている。中でも2024年に導入された一次調整力は要件が厳しく、「自端制御」「応動時間10秒以内」「継続時間5分」「並列必須」という商品要件と高い技術要件を満たす必要がある。このため、応動時間が5〜15分程度の二次・三次調整力と比べて参入できる事業者が限られ、応札量不足が続いている。
一方で、参入ハードルの高さを受けて価格は上昇傾向にあり、一次調整力は蓄電池アグリゲーション事業における新たな収益源として注目を集めている。現在、デジタルグリッドに加え、東京電力エナジーパートナー、KDDIグループのエナリス、電力事業者向けの業務支援サービスを提供しているポートなどが一次調整力への供出を公表している。