
稼働している(画像:パワーエックス)
電気設備資材の卸売を展開する扇港電機の完全子会社であるセンコーコーポレーション(以下、「センコー」)は、「鹿児島県大崎発電所」(1.9MW/DC、1.5MW/AC)に蓄電池(1.5MW/2.5MWh)を併設し、FITからFIPへ移行する。運用開始は2026年2月頃を予定している。
同発電所は2013年度にFIT認定を受け、36円/kWhのFIT価格で2037年8月までの契約である。8月21日付のパワーエックスの発表によると、2025年中にパワーエックス製の定置用蓄電システム「Mega Power 2700A」(2.7MWh)1台を導入し、設置工事は名古屋市に本社を置くユニバーサルエコロジーが担当する。
本事業は、経済産業省の2024年度予算「再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業」に採択されている。また、パワーエックスが提供を開始した蓄電池併設型太陽光発電所向け「電力アグリゲーションサービス」の第1号案件となる。
センコーは2013年から太陽光発電所を運営しており、経産省によると、低圧・高圧のFIT/FIP太陽光発電所を全国で約300件保有し、稼働中の発電所の合計出力は約112MW/ACに上る。加えて、主に20kW/ACの小規模風力発電所を約40件運営している。同社は過去にも複数のFIT案件をFIPに移行した実績があり、電力の運用は東芝エネルギーシステムズに委託している。同社は、発電した電力に対して固定価格で発電事業者に支払い、市場価格が高騰した場合には追加収益を分配するサービスを提供している。
再エネの出力制御が増加している九州エリアでは、出力制御による影響を低減し、収益性を確保するため、初期FIT案件への蓄電池併設が進んでいる。2025年6月には東京センチュリーが「霧島太陽光発電所」(出力:20MW)をFIPへ移行すると発表し、同年7月には西部ガスが九州5ヵ所の発電所のFIP移行を公表しており、今回の取り組みもこうした流れの一環といえる。