
再エネ事業などを展開するジー・スリーホールディングスは10月6日、熊本県長洲町で野村屋ホールディングスが開発中の「玉名郡長洲蓄電所」(約2MW/約8MWh)を、完成後に取得すると発表した。これが同社にとって初の蓄電所案件となる。
玉名郡長洲蓄電所は722m2の敷地に開発され、2026年5月末の引き渡しを予定している。運用にあたっては、アグリゲーターとの契約を通じた電力取引を行う計画である。なお、取得額については現時点では明らかにされていない。
ジー・スリーホールディングスは、今後の事業方針として年間6件の蓄電所の取り扱いを目標に取り組む方針を示している。今回の案件については、開発の進捗やリスクの内容次第では、取得契約を解除し、支払済み代金を返還請求できる条項が盛り込まれている。また、必要に応じて本案件の系統連系の権利を第三者に売却したり、他案件と差し替える可能性もあるとしている。
同社は2016年に太陽光事業へ参入し、これまで主にFIT制度で運用される高圧太陽光発電所の取得・開発・売却を手掛けてきた。2025年5月には、静岡県に保有していた太陽光発電所(出力:1.3MW/DC、1MW/AC)を売却している。経済産業省のデータによると、現在稼働中の太陽光発電所は宮城県(出力:1.7MW/DC、1.5MW/AC)と、三重県(出力:270kW/DC、250kW/AC)の2ヵ所となっている。
系統用蓄電所市場では、これまでFIT太陽光発電所の開発を行ってきた企業による新規参入が相次いでおり、レオ・コーポレーション、トーチインターナショナル、三商などもその一例である。