コスモエコパワー、北海道で6.6MW風力発電所をFIPに移行、新宿マルイ本館に供給開始

2025年7月24日
石狩湾新港風力発電所は、2018年にFIT発電所として
稼働を開始した(画像:コスモエコパワー)

電力小売事業を展開するUPDATERは7月7日、コスモエコパワーが北海道小樽市で保有する「石狩湾新港風力発電所」(出力:6.6MW)の発電量の一部を、2025年4月1日よりファッションビルを運営する丸井に供給を開始したと発表した。供給先は、東京都新宿区にある新宿マルイ本館である。

この電力供給は、RE100基準に定められた「プロジェクト特定契約」に基づき、時間単位で需給を一致させるHourly Matching形式で行われる。UPDATERは、電力を丸井に一定期間、固定価格で供給するが、契約期間や供給量などの詳細は明らかにされていない。

石狩湾新港風力発電所は、3.3MWのVestas製風力タービンを2基設置しており、2018年2月に稼働を開始した。2015年度にFITの認定を受けており、当時のFIT価格(20kW以上の陸上風力)は22円/kWh、買取期間は20年間であった。

今回の電力供給に合わせ、コスモエコパワーは同発電所をFITからより柔軟性のあるFIPに移行した。FIP価格(基準価格)には、従来のFIT価格が引き継がれ、市場価格に連動してプレミアムが交付される。契約期間は当初のFIT期間と同様、2037年10月までである。

UPDATERを通じたこの取引は、丸井グループにとって公表ベースでは初めて風力発電を活用する事例である。同社はこれまでにも、JA三井エナジーソリューションズや、東京センチュリーと日本エネルギー総合システムの合弁会社であるADDエナジー1号が保有する太陽光発電所とのPPA契約を公表している。

また、コスモエコパワーは石狩湾新港風力発電所のほかにも、和歌山県の「中紀ウィンドファーム」(出力:48MW)長崎県の「五島八朔鼻風力発電所」(出力:1.2MW)など、複数の発電所でFITからFIPに移行しており、いずれもPPAなどの相対契約による電力供給モデルの活用を見据えて行われた。石狩湾新港風力発電所は、同社のそうしたFIP移行案件の中では最新の事例である。

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