
2件目となる(画像:コスモエコパワー)
コスモエコパワーは5月12日、ベアリング大手のNTNとバーチャルPPAを5月7日付で締結したと発表した。コスモエコパワーが和歌山県で運営する「中紀ウィンドファーム」(出力:48.3MW)から、年間10GWh相当の非化石証書を今後16年間にわたりNTNに供給する。これは同発電所の年間発電量約101GWhの約10%に相当する。
中紀ウィンドファームは、2.1MWの風力タービンを23基設置し、2021年4月に運転を開始。年間発電量は約101GWhにのぼる。2016年度にFIT(固定価格買取制度)認定を取得しており、FIT価格は22円/kWh。その後、FIP(フィード・イン・プレミアム)へ移行しており、2041年3月までプレミアム(供給促進交付金)の交付を受け取る見通しだ。なお、同発電所の風力タービンにはNTN製のベアリングを採用している。
今回の契約において、コスモエコパワーはNTNに供給する非化石証書分に相当する発電量を卸電力市場を通じて売電し、NTNは契約する小売電気事業者から電力を調達する予定だ。
NTNはこれまで、2016年から2024年にかけて、国内外で複数のオンサイトPPAを締結してきたが、バーチャルPPAの締結は今回が初めてとなる。一方、コスモエコパワーはすでに2025年3月にJR西日本との間で同発電所を活用したバーチャルPPAを締結しており、年間40GWhの非化石証書を供給している。今回の契約により、NTNは同発電所を活用したバーチャルPPAの供給先として2社目となる。
こうしたバーチャルPPAの取り組みは、2025年4月から非化石証書の直接取引の対象が拡大されたことにより実現した。従来は、発電事業者と需要家との非化石証書の直接取引は、2022年度以降に運転を開始した非FIT電源が対象だったが、制度改正により、2021年度以前にFIT電源として運転を開始し、FIPに移行した発電所も対象となった。これにより、コスモエコパワーは中紀ウィンドファームを活用したバーチャルPPAを締結したとみられる。