南九、鹿児島の太陽光2ヵ所をFIPに移行+蓄電池併設へ、グリーングロースが支援

2025年9月27日
現在両発電所は、FIT価格36円/kWhで運用中
(画像:南九)

グリーングロースは9月16日、南九が保有する鹿児島県内の太陽光発電所2ヵ所についてFITからFIP制度への移行とともに、蓄電池の併設支援を行うことを発表した。

対象となるのは、鹿屋市にある「MKソーラー有里第二発電所」(出力:1.9MW/DC、1.75MW/AC)と錦江町の「MKソーラー大根占展望発電所」(出力:1.81MW/DC、1.75MW/AC)である。

MKソーラー有里第二発電所には6.88MWh、MKソーラー大根占展望発電所には6.68MWhの蓄電システムが併設される。いずれの発電所も、2026年4月にFIP制度のもとでの運転を開始する予定である。両発電所は現在、FIT価格36円/kWhで運用されており、MKソーラー大根占展望発電所は2042年、MKソーラー有里第二発電所は2043年まで契約が継続される見込みである。

南九の山下社長は、「当社が保有する太陽光発電所でも、出力制御の増加と収益性の低下は大きな課題となっていました」と述べており、今後は日中の余剰電力を蓄電池に充電し、電力需要の高い時間帯に放電することで、運用の最適化を図る方針だ。グリーングロースは企画・開発から許認可取得、EPC(設計・調達・建設)および運用、さらにFIP移行後のアグリゲーションまで一貫して担当する。

南九は1971年に設立され、農産物の商品開発・生産・輸入・流通といった事業を展開してきた。2012年のFIT制度開始を機に新エネルギー事業部を立ち上げ、再エネ分野に参入した。現在では、50kW未満の低圧太陽光発電所を75ヵ所、2MW未満の高圧太陽光発電所を18ヵ所保有しており、合計で約30MWの発電容量を有している。

一方、グリーングロースは九州エリアにおけるFIP移行支援の取り組みを積極的に展開している。2025年7月には、福岡を拠点とするかがし屋と、FITからFIPへの移行および蓄電池併設支援に関する契約を締結。かがし屋が保有する大分県日田市の「かがし屋日田発電所」(1.8MW/DC、1.5MW/AC)において、FIPへの移行とともに、蓄電池(1.5MW/4.5MWh)の建設を開始している。同社は、FIT太陽光発電所のFIPへの移行を、まずは出力制御の影響が特に多い九州エリアにおいて拡大しながら、その他のエリアへも展開していく方針を示していた。

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