
ある(画像:エネルギーパワー)
小売電気事業者であるエネルギーパワーは11月27日、系統用蓄電所事業に参入することを取締役会で決議したことを発表した。2025会計年度中である2026年8月31日までに、蓄電所2件の運転開始を目指す計画である。
運転開始を目指す2件については、いずれも兵庫県に建設する予定で容量は1.979MW、出力は8.226MWh。2025年2月に着工し、同年6月までに完成する予定である。
今回取得する1件目は、「朝来メガパワー蓄電所」(兵庫県朝来市)で取得価額は約8億900万円。同発電所は、用地面積1,151m2で、EPC(設計・調達・建設)はイースト・エンジニアリングが担当。2件目の「丹波メガパワー蓄電所」は、約8億円で取得し、用地面積1,787m2で、BS ENERGYがEPCを行う。
同プロジェクトの資金調達のために、エネルギーパワーは借入を2件行った。一つ目は、紀陽銀行からTIBOR(東京銀行間取引金利)+1.5%で6億円のタームローンで、2025年10月31日のコミットメント期間終了後に17年かけて返済される。二つ目は、日本政策金融公庫からの1億4,800万円の17年ローンで、利率は2026年11月27日まで1.4%、それ以降は1.9%で、2024年11月29日に借入が実行される予定である。
エネルギーパワーは蓄電所からの電力をアグリゲーターを通じて卸電力市場、需給調整市場、容量市場で取引する予定だが、アグリゲーターの選定にはまだ至っていないと思われる。昨今、国内で太陽光発電等の変動性電源の増加により、企業による蓄電所事業への参入が活発化しており、今後ますます成長が期待される分野である。直近では、九州で不動産事業を展開するグランディーズや関西でマンション開発を行う和田興産などが蓄電所事業への参入を発表している。