
ソフトウェア開発を手掛けるイメージワンは9月30日、FDコーポレーションから特別高圧系統用蓄電所(約30MW/約130MWh)の事業用地を取得することを決議したと発表した。取得額は現時点では公表されていない。
同社は同日付で土地の所有権および系統連系申請の権利を取得しているとみられ、土地の引き渡しは2026年9月30日を予定している。契約には、将来的に解決できないリスクが顕在化した場合には、契約を解除し、支払済金の返金を受けることができる条項が盛り込まれている。
本件に関して、イメージワンは第三者への売却や、他社との共同保有・運営といった選択肢を含めて検討を進めており、最終的な方針は未定としている。
蓄電所の開発においては、初期の系統連系見積もりと実際の連系工事費に大きな乖離が生じた過去の事例もある。例えば、他社案件では、当初取得した土地と系統連系の権利において連系負担金が想定を上回ったため、売却元と売却先が合意の上、別の用地・系統連系の権利に差し替えた事例もある。
イメージワンはこれまで再エネ事業の実績は限定的であり、過去にはFITによる高圧太陽光発電所5件・合計約1MWを保有していたが、2023年にRBソーラーアークへ売却した。経済産業省のデータによると、現在は茨城県内に低圧の太陽光発電所を2件保有している。
近年、異業種からの系統用蓄電所への参入が増加しており、イメージワンもそのうちの一社である。ただし、他の新規参入企業が多く選択する、開発期間の短い高圧蓄電所(約2MW/約8MWh)ではなく、特別高圧蓄電所からの参入を選択している点は、珍しい事例といえる。