
6ヵ所を取得した(画像:みずほ証券)
みずほ証券は6月20日、営農型太陽光発電事業に特化した長期私募ファンドを組成し、福島県南相馬市にある稼働中の営農型太陽光発電所6ヵ所(合計出力:約11MW)を取得したと発表した。6月19日付の日本経済新聞によると、総投資額は約40億円、ファンドの運用期間は12年であると報じている。
ファンドの運営主体はこれらの発電所を保有している福島小高ソーラーリースで、みずほリースの完全子会社であるエムエル・パワーが出資した。また、オリックス銀行や常陽銀行などからノンリコース型のプロジェクトファイナンスによる資金調達も行った。
取得した発電所は、遊休農地18.5haの一時転用許可を受けてトーヨーエネルギーファームが開発した。開発事業は3区画に分け、2017年5月、同年12月、2018年3月に順次運転を開始した。いずれも2013年度にFIT認定を取得しており、当時のFIT価格(10kW以上太陽光)は36円/kWh。買取期間は、2037年4月から2038年4月にかけて満了を迎える。
発電事業は福島小高ソーラーファームが担い、同社は福島小高ソーラーリースから発電設備をリースする。営農事業者としてソーラーパネル下ではミョウガの栽培も行う。アセットマネジメント業務はブルースカイアセットマネジメント、O&M(運用・保守)はブルースカイソーラーが担当する。
経済産業省によると、福島小高ソーラーファームはこのほかにも、福島県に4ヵ所、茨城県と千葉県にそれぞれ1ヵ所(合計出力:10MW)のFIT・FIPの太陽光発電所を保有している。
今回の発表は、営農型太陽光発電への関心の高まりと、FIT制度初期に認定を受けたFIT価格の高い太陽光発電所を活用した事業である。FITの買取期間が10年以上残っており、安定した売電収入が見込めることから投資対象として注目を集めているとみられる。