
(画像:山陰合同銀行)
山陰合同銀行は9月18日、完全子会社のごうぎんエナジーが鳥取県倉吉市の「GE倉吉蓄電所」(約1.99MW/約8.13MWh)の運転を2025年11月に開始する予定であると発表した。銀行系子会社による系統用蓄電所事業への本格参入は、国内で初の事例となる。
本蓄電所はフルマーチャント(完全市場取引)の事業として計画されており、卸電力市場、需給調整市場、容量市場などへの電力取引が予定されている。アグリゲーション業務を担う事業者については現時点で明らかにされていないが、山陰合同銀行が公表した設置完了後の全景写真から、蓄電システムにはHuawei製の機器が採用されているとみられる。
ごうぎんエナジーは2022年に設立され、中国エリアに拠点を置き、法人向けを中心に再エネ事業を展開してきた。主に、屋上設置型のオンサイトPPAによる太陽光発電所を手掛けており、これまでに50件以上の契約を締結している。また、地上設置型設備によるオンサイトPPAや、米子市、境港市、山陰合同銀行本体とのオフサイトPPAも締結している。
今回の蓄電所事業については、同行グループとして地域の脱炭素・カーボンニュートラルの実現に資する取り組みの一環と位置付けられている。昨今、2MW/8MWh規模の蓄電所を開発する新規参入事業者が全国的に増加しているなか、ごうぎんエナジーもその一角に加わる形となる。なお、同社の今後の蓄電所開発計画については、現時点では公表されていない。